−それから少し話して、教室へ戻った。

(お、カップルが戻ったぜ!!)

「え…?」

−みんなが、面白半分に見ていた。

『…おい、ふざけんなよ。お前。』

(あ?)

−奏斗は、男の子の胸ぐらを掴んで殴った。

周りからは悲鳴が響いた。
(…何すんだよ!)

『お前がわりぃんだろ?謝れよ。』

(なんだと?)

『…理央に謝れって言ってんだよ!!』

−ドカッ。奏斗はそう言って、蹴り飛ばした。

…奏斗。

「やめて、奏斗!!」

『…はぁっ…。』

「…やめて。」

『二度と、ふざけたことぬかすなよ。』

−奏斗は、保健室行くって言って教室を出た。

「…理央…。関わんない方がいいよ。」

−由佳が、あたしの傍に走りよってきた。

「何で?由佳も、仲良くしてたじゃん。」

「…何も知らなかったから。いじめられたりするらしいよ?やめよ、理央。」

−視線を感じて後ろを向くと、みんなが好奇と軽蔑の目で見ていた。

あたしは、何も言い返せなかった…。奏斗の元へ行くことも出来なかった。ただ、立ち尽くしていた。