−屋上で、1人で座って空を見てた。

「…何、やってんだろ。」
−そうだよ…関係ないんだよね。

少し泣きそうになったとき隣に誰か座った。

「…?……え。」

−奏斗が、座ってた。

「…何で来たの。」


『……心配で。』

−そう言って、あたしの顔を覗いた。

…何で、そんな心配してくれんの?

「…何の関係もないんだもんね。ごめんね!!」

『違うって。悪かった!』
「いーよ、もう。…辛くなる。」

−すると、大声で。

『俺は、お前と何の関係もないって思ってねぇ!』

「……じゃあ、何?」

『…キレてて、八つ当たり。ゴメン。…ケンカするの理由があって。』

「……理由?」

−見上げると、笑う奏斗がいた。

『あぁ。中学の頃、付き合ってた彼女がいて…ケンカに巻き込まれたとき、ボロボロになったんだ。俺。』
「……うん。」

『俺を見て、彼女は…』

《あんたみたいな弱い奴、好きじゃない!》

『って、言った。それから…強いのはケンカすれば強くなるって思って。』

−奏斗はそう呟いた。

いつもとは違う、小さな声にあたしは心が痛くなった。