−教室で、1限目が終わってぼーっとしてると入り口のドアが乱暴に開いた。

…!?何事!!

「ねぇ!!大変、奏斗くんがケンカしてるらしいよ!?」


「……はぁ?」

−さっきまで、あんな笑顔だったあいつがケンカしてる姿が想像できなかった。
あたしは、場所を聞いて由佳と向かった。

「はぁっ!ここだよ。」


「……まじ?」

−そこには、相成奏斗が1人で先輩達と殴りあう姿があった。

……冷たい…目。

「……ちょっと!!」

−あたしが前へ出ると、いきなり……

『来んな!!』

−ビクッ!大声で叫んで、冷たい目の相成奏斗と目が合った。

……何で…。

『……これは、俺が勝手にやってるケンカなんだよ。何でもねぇ奴が入ってくんじゃねぇよ!!』


「何でもねぇ…って…。」
−あたしは、体が動かなくなった。

そして、無意識に走りよって頬を叩いてた。
パンッ!!

『……って。何なんだよ…お…まえ。』


「…クラスメイトだから…心配…だったのに…。……最低…っ!!」

−あたしは、走りだした。後ろから…

『おい、理央!!』

−っていう声が聞こえたけど、頭に入らないようにした。

……少し、仲良くなれるかもって…思ってたのに。

「……ばかー!!」

−あたしは、叫びながら走ってた。

頭の中には、冷たい目のあいつと優しい子どもみたいな顔のあいつがいた。