「…話してる時の奏斗!楽しそうだった!」

『…理央?』

「…あたしだけって言ってるのに…あんな楽しそうに話さないでよ!」

『ゴメン。』

「……ばか。」

−奏斗はあたしの手を引いて抱きしめた。

あたしは抱きしめられたと同時に、涙が溢れていた。
『…ゴメン、不安にさせることばっかで。』

「……っ…あたしも、ごめんなさい。…やきもち。」
『それは嬉しい。』

−奏斗に抱きしめられると安心する。

奏斗の手はあったかくて、不思議な力を持ってる…きっと。

「…奏斗、あたし奏斗が大好き。」

『俺も好きだよ?』

「今日はあたしが…」

『え…』

−あたしはシャツを掴んで、キスした。

奏斗の目は一瞬驚いてたけどすぐ笑顔に変わった。

『…びっくりだな。』

「たまにはね〜」

『でも、されるのもアリかな。』

「…そう?」

−奏斗はそうって言って、頬にキスした。

そして、壊れないように大切なものを包み込むように抱きしめてくれた。
それだけで、あたしの心は穏やかになれるよ…。