−すると、先生が教室に入ってきた。

《席、つけ〜!今日は転校生を紹介する。入れ。》

−扉を開けて、音彩さんが入ってきた。

「初めまして。新野音彩です。よろしくお願いします。」

−音彩さんは、奏斗を見つけてにっこり笑った。

その笑顔を見ていると寒気がした。

《じゃあ、席は…。》

「あたしあの席がいいです。」

−そう言って、あたしの席を指差した。

…あたしにどけと?

《じゃあ、新垣…》

『…俺、理央の隣がいいんすけど、先生?』

−ダンッ!そう言って、足を机の上においた。

先生は咳払いをした。

《じゃあ、新野はあの窓際の席な。》

「はい。」

−小さく舌打ちして、席に座った。

怖いんだけど…。音彩さんの目もこわいし。

『たく。俺は、理央の隣がいいんだし。』

「…恐いよ、奏斗。」

『俺の隣に、音彩が来て嬉しいか?』

「悲しい。」

『だろ?俺も悲しいから、絶対変わらねぇ。』

−そして、寝るって言って机に顔をつけて眠った。

…直球で言うから。

「…ありがと。」

『ん…。』

−奏斗の寝顔を見てると、幸せな気分だった。

奏斗といれば最強だと思った。