−あいつと別れて、由佳と下駄箱に行ってあたしは不機嫌モードだった。
「理央〜?」
「何、由佳!!」
「何で、そんなキレてんの?」
「あんな奴に、キスされたのが許せないの!!!」
−由佳は、驚いた顔であたしを見ていた。
……はぁ。最悪。
「いいじゃん、唇じゃないんだからさ」
「…他人事だと思って…。やだよ…。」
「他人事だもーん。」
−由佳は、アハハって笑って教室に入った。
…ひどいよ。
あたしも、自分の席につくと由佳が来て前に座った。
「…相成くんにキスされるなんて、羨ましいし。」
「何で!」
「だって、かっこ良かったじゃん!!」
−由佳は、イキイキと話した。
……ばか。
「…知らないよ〜…。」
「いいじゃん、元気出しなって。」
−由佳は、あたしの頭を撫でた。
……由佳。
「分かったけど…イライラはする。」
「あはは。」
−あんな、ケンカ好きの奴にキスされたなんて!!
……泣きたい。
頭の中には、あいつの低くてよく通る声や…あたしを見た目が残っていた。