−少しテンションが下がった自分がいた。

「……はぁ。」

『おはよ、理央。って…どした?』

「おはよ!何でも。」

−そう言ったあたしは、何故か抱きついた。

『何か、今日は積極的だな。』

「…何か…。」

−あたしは、奏斗の手を握って体を寄せてた。

すると…

『まぁ、くっつかれるのは好きだからいいけどな。』
−そう言って、あたしの腰に手を置いて笑った。

「奏斗って、優しいよね、時々。」

『だろ?俺は、女には優しいんだよ。』

「…俺様でわがままだけどね。」

『…ほぉ?』

−奏斗の声が変わった。

あ。
「えと…奏斗?」

『なるほど。俺様でわがまま…?』

「…すみません。」

−奏斗は、空き教室の中に連れ込んで頬を掴んだ。

『ごめんなさいは?』

「ごめんなしゃい…。」

『よろしい。』

−奏斗様を怒らせたらダメだな。

『…悪いって思ってんなら理央からキスして?』

「えっ!?」

『…謝罪を込めて。』

−奏斗は、あたしの唇を触れた。

ドキ…。奏斗の顔が、何か色っぽくて…

「目、閉じて…?」

『ん。』

−奏斗はゆっくり目を閉じた。ドキドキしていた。