−奏斗は傍に来た。

『姉ちゃん。何、してんだよ。』

『まぁまぁ。』

−咲菜さんは、そそくさと歩いていった。

2人の間に沈黙が流れたとき、奏斗が言葉を発した。
『…俺、言いたかったけど言えなかったことがある。理央に。』

「え…?」

『言ったらダメな気がして、苦しめたくないし。』

「………。」

『でも、言わないと変われないし。』

−奏斗はあたしの手に優しく触れて言った。

『好きだ、理央。出会って…お前を見て、優しいとことかに惹かれてた。』

−奏斗を見ると寂しげな目であたしを見てた。

「…っ…。」

−涙が出て、奏斗の手に落ちていった。

奏斗はあたしの目にある涙を指で拭った。

『幸せにするから、付き合えよ。』

「俺様!」

『好きだろ?俺。』

−意地悪な笑顔を見せた。
「〜!好き!ケンカ強いのも…笑顔も…ぜん…」

−言い終わらない内に抱きしめられた。

『…理央。』

「奏斗。」

−奏斗は優しく顎を持ってキスした。

「ん…奏斗。」

『理央…好きだよ。』

−奏斗はもう一度優しく抱きしめてくれた。

あったくて、離れたくないって思った。