−キーンコーンカーンコーン

ちょうど、チャイムが鳴って席についた。

「……みんながあんな目で見てたなんて…。」

−小さく呟いて、あたしは授業を聞いていた。

由佳が言ってることは正しいと思うし、でも…。

《新垣さん、この答えは?…新垣さん!》

「あ、はい。すみません。えっと…。」

−ダメだ。頭の中が、混乱するよ…。

由佳は、前を向いたままあたしを見ることはなかった。

「…後、10分で終わっちゃうよ…。はぁ。」

−終わるな、終わるな!

念じてみたけど、残念なことに……
キーンコーンカーンコーン

《じゃあ、終わります。》
『きりーつ、礼。』

−ガタガタ。みんなが、それぞれに話したりしていた。

……はぁ。
由佳は、別の友達と笑いあっていた。
あたしは、その姿をじっと見ていた。