−あたしは、新垣理央。今日からこの桜ヶ丘高校に入学して1週間になる。

「…何か、高校生って感じじゃないなぁ。」

−あまりに平凡で、つまらなかったあたしの生活。
この生活が、あいつとの出会いで変わるなんて…

「おはよー、理央!」


「おはよ、由佳。」

−由佳は、中学から一緒であたしの親友。1番大切な存在。

2人で話しながら歩いていると……

『てめぇ、ふざけてんじゃねぇぞ!!』


[……うるせぇ!!]

−男が2人、ケンカをしていた。

……うわぁ、先輩??

「理央〜…あれ、殴ってる方…同じクラスの子だよ。」


「え!!?」

−あんな奴、いたっけ?

殴ってる方を見ると、あたしに気づいた。

「!!…由佳、行こ。」


「う、うん!」

−歩き出した瞬間…

『待てよ。』


「……………。」

−ゆっくり、後ろを向くと男が立っていた。

……怖…。

『…ケンカ、見たよな?』

「……だったら、何?」


『センコーには、言うなよ。』


−そう言って、あたしを見つめた。

綺麗な茶色がかった瞳に吸い込まれそうになった。

「……あんた、同じクラスらしいじゃん。」


『ふーん。』


「名前、教えてくれたら黙っとくけど?」


『ハハッ。それくらいで、いいならいーぜ。俺は、相成奏斗だ。お前は?』


「あたしは、新垣理央。」
−奏斗っていう奴は、あたしに近づいて言った。

『理央…ね。よろしくな。』

−そう言って、頬にキスした。

……は??

「ふざけんなー!!!」


『ククッ!!』

−あたし達の出会いは、最悪だったね…。

あんたの第一印象も最悪だった…でも、出会えて良かったって思ってるんだ。