「そっか…色々ごめんね?紫雲。折角のデートだったのに…」
風邪引くなんて、私、タイミング悪過ぎでしょ(泣)
「それって…俺とのデート、楽しみにしてくれてたって受け取っていーの?」
ニヤリと笑う紫雲に、熱で赤い顔がもっと赤くなった気がした。
なっ…何でこんなに恥ずかしがってんの、私!!
私は無意識に、布団を口元くらいまで持ってきた。
「…あ、俺、神田さんから食事渡されてたんだった」
紫雲はそう言いながら、トレーを持ってきた。
「はい、お茶。ほらこれ、美味しそうでしょ?」
お茶を渡されてお礼を言いながらトレーの上の鍋を見ると、野菜たっぷりのお粥があり、湯気が点っていた。
流石神田。
本当に気がきく。
そんなことを考えながらお茶を含んでいると、紫雲はスプーンでお粥を掬い、フーフーしだした。