「……」

ムスッ

今の彼女には、この言葉が1番合ってる。

「姫乃様…何処へ行かれていたのですか…」

声の主は、スーツを来た女性。
黒髪をひとつに束ねてすっきり見せているせいか、端正な顔立ちが際立っている。

「…このかたとデートしていたわ」

なっ…これ、デートなの?!

私の驚きの表情に、

「まさか。…姫乃様、遊んで頂いていたんでしょう?」

女の人は、こちらに苦笑いを向けて会釈をしてきた。

"色々とすいません"といったところだろう。

「さ、帰りますよ?苓様もお探しになっているのですから」

…?
何だか聞き覚えのある名前。
まさか。いや、ありえなくない。

今更だけど、姫乃ちゃん…苓に似てる。
多分、苓を女装させて幼くしたらこんな感じなんだろう。