「いえ、わたくし遊びに来ただけなので」

「でも、行くとこないんじゃ…?」

「…………」

姫乃ちゃんが黙ったので、私は深いため息をつき、彼女の空いている右手を握った。

「なっなんですの?!」

急に握った私に、少し驚く姫乃ちゃん。

「私が連れていってあげる。大丈夫、私、怪しくはないから」

「…………せーぜー頑張ることね…//」

強がっているようだけど、頬が赤いのでわかりやすい。
つまり、照れてる。

「ふふっ可愛いなぁ、姫乃ちゃんは」

「…なっ…平民のくせにっ…」

残念ながら、私は多分、平民じゃないんだけど。

「まぁ…水族館にでも行こうか」

「…なんですの、それ」