「…やっぱり。昴っち、大好きだ」

眉を下げながら笑みを浮かべてそう言ってくる星。

「な………何で今そんな話になるの〜(泣)」

「だって…しみじみそう思えるような空気だったんだもん」

だもん…って…

「昴っちは昴っち。俺の惚れた、大好きな女の子だもんね!!」

そう言った鼻の赤い星は、照れ隠しのように、首に巻いたマフラーをクイッと口元まであげた。

「な…何それ…」

「ふふっ…昴っちに聞いてもらえて良かった。ますます惚れ直したよ」

「………//そーですかい」

ちょっとストレート過ぎて、照れちゃう。

「…あ、着いたね」

とうとう寮についてしまった。

「あっ昴っち、俺明日は空姉と母さんの様子見てくるから休むね!!」

さっきの電話はそれだったのかも。

それから私達は少し言葉を交わした。
そして、

「昴っち…俺、諦めないから!!んで、前向いてくから!じゃあね!!」

去り際にそれだけ言って、手を振りながら元来た道を駆け出す星の背中は、いつもより大きく見えた。