「結局海を抱きしめたのは、空姉(クウ)…姉貴だった。それから母さんは植物状態になり、今もまだ生命維持装置をつけて、生きてる。そして海は事故の後、笑わなくなった。よく笑う子だった海からは想像出来ないほど、無口で無表情の子になってしまった…」

ポロッ

あ…ダメだ。
涙がでてきちゃった。
泣いちゃいけないのに。
星は一生懸命話してくれているのに。

「でも……って…昴っち?!な…泣いてくれてるの?」

何だよ泣いてくれてるって…自分でもわからないくらい、止められないんだよ。

「可哀相だからとかじゃ…ないよ。海ちゃんの心の陰が伝わってくるの…それがわかった途端、涙が止まらないんだよ…!!」