「俺達は母さんに引き取られ、その後女でひとつで育てられた。その代償として、忙しく苦しい日々は母さんの身体を蝕んだんだ」

くっ…と悔しそうに歯を噛み締める星。
いつも明るい星だけど、こんなにも沢山のことを考えてたんだな…なんで、気付けなかったんだろう。
私、情けない…

「そしてある日曜日、母さんは海と買い物をした帰り、事故にあったんだ。相手は居眠りしてて…母さんは、海を庇うように倒れてたらしい。連絡を聞いた俺は、母さんが運ばれた病院に行くと、イスに1人座っている海がいて、着ている服や靴は血だらけだった。海は俺を見て、涙を溜めて…"カイのせい"って言ったんだ。それを聞いたとき、俺は胸から物凄く熱いものが込み上げるのに気付いた…でも、何も言えなかった」