「お子様…ランチ?」

オムライスとかハンバーグとかスパゲティーとか…子供が好きな食べ物が1つに詰まった、あのお子様ランチの絵だった。

「……」

コクリと静かに頷く海ちゃんに、私も昔を思い出す。
街で見たレストランにそれがあって、私は外から、家族が子供達と一緒にお子様ランチを囲んでいる姿を見て、すごく憧れた。
それで、家のシェフに作ってもらったなぁ。
すごく、満足したのを覚えてる。

「カイ、これ…食べてみたいの」

少し眉を寄せて、でも子供らしい、そんな顔をする海ちゃんに、私は自然と温かい気持ちが芽生えた。

「よぉし。私が作ってあげる。海ちゃんの絵みたいな、すっごいの作るよ」