「昴ー行こうぜ」
「あぁ、うん」
放課後になり、辰志が私を呼びにきた。
「「「「「(なんだなんだー?俺らの昴に何か用かー?)」」」」」
クラスメートは、心の中で野次を飛ばした。
(小心者なので)
廊下にでた私と辰志。
「ねー…どこ行くの?ていうか…外出許可は?」
「んぁ?あー…巳子がお前に逢いたいって言ってたから、巳子と遊んでやってくれ。それと、許可は羅々が出してくれてる」
「へ?」
「あ?」
「う…うん!!嬉しい!!」
…何か辰志って、妹思いだなぁ…
自分より人を優先するとことか…
昔の優しいときと、ちっとも変わってないんだ。
「クスッ…」
あ、笑っちゃった。
「?何だよ」
「んーん。別に」
辰志の不思議そうな顔を見ると、自然と口元が緩んだ。