「冬兄……っ。やめて…………」
小さく泣きつぶやく。冬矢が潰されていく。壊れていく。
悲鳴すらも聞こえない。陽が泣き叫ぶ。それを山姥は抑える。
「ババ様……」
しばらくして、がしゃどくろは冬矢をつまみ上げ、山姥の前に放り投げた。
小さく陽は悲鳴を上げた。赤く染まった体がある。骨が見える場所もある。それでもかろうじで生きていた。かすむ目で、冬矢は山姥を見上げる。
「っ!」
その時、山姥は冷たくあやしく笑い、冬矢を見下していた。
いやな予感が、押し寄せる。
「さあ、絶望するがいい……」
山姥の尖った爪が、陽の柔肌に食い込む。肌からつぅっと血が流れ出した。
冬矢はもう動けない。陽は山姥の瞳の恐怖で固まっていた。
殺される……っ!
騙された。山姥は最初から陽も冬矢も開放する気がなかった。
冬矢を壊しておいて、陽を目の前で殺す。そのことが山姥の頭の中で出来上がっていた。
冬矢を絶望の淵にたたき落とす爪が陽の胸に向かう。
そして……
「ぎゃぁああああああああっ!」
血しぶきがあたりを赤く染めた。
小さく泣きつぶやく。冬矢が潰されていく。壊れていく。
悲鳴すらも聞こえない。陽が泣き叫ぶ。それを山姥は抑える。
「ババ様……」
しばらくして、がしゃどくろは冬矢をつまみ上げ、山姥の前に放り投げた。
小さく陽は悲鳴を上げた。赤く染まった体がある。骨が見える場所もある。それでもかろうじで生きていた。かすむ目で、冬矢は山姥を見上げる。
「っ!」
その時、山姥は冷たくあやしく笑い、冬矢を見下していた。
いやな予感が、押し寄せる。
「さあ、絶望するがいい……」
山姥の尖った爪が、陽の柔肌に食い込む。肌からつぅっと血が流れ出した。
冬矢はもう動けない。陽は山姥の瞳の恐怖で固まっていた。
殺される……っ!
騙された。山姥は最初から陽も冬矢も開放する気がなかった。
冬矢を壊しておいて、陽を目の前で殺す。そのことが山姥の頭の中で出来上がっていた。
冬矢を絶望の淵にたたき落とす爪が陽の胸に向かう。
そして……
「ぎゃぁああああああああっ!」
血しぶきがあたりを赤く染めた。