両親の再出発を、何も知らずあづけられた島根。

海の側で、毎年夏休みには行ってた。祖母はとても優しく、あたしにとっては一番好きな祖母だった…あづけられるまでは…。

祖母も後妻に入って苦労をした人だ。父しか自分の子供は居らず、また、父のことは育てていない。

そんな家に、歳の幼い三人をいきなり連れて来られ、あづかることになってしまったのだから、祖母の苦悩も並み大抵ではなかったと思う。

島根に着いたときには、この後、自分におおいくる苦難を知るよしもなく…ただ、季節外れの旅行感覚だった。母が来るまでの少しの時間を待っているだけの感覚だった。