東京には、母と一緒に住んでいるおじさんがいた。中学生のあたしには、理解が出来なかった。父がかわいそう。そればかり。

毎日のように、母の目を盗んでは父に電話した。

おじさんは、とても可愛がってくれた…今でも何かと不器用に可愛がってくれる。でも…あたしが懐くことはなかった。

東京に転校した。…東京の学校には、大阪のフレンドリー差がまるでなかった。毎日孤独で見せ物のようだった。当然進学の話も出る。内申はない。私学の選択しかなかった。

母には、そこまでのお金はなく…またすぐに大阪に戻ることになった。東京滞在二週間。得たもの…ミッキー。当時母が買ったミニチュアピンシャーの黒の雄。あたしを孤独と淋しさから、救ってくれた犬。ミッキーを連れ、大阪に戻った。