「よっしゃぁー!
テスト終わったー!」
後ろのヤツが答案用紙を回収していると慎太郎が叫ぶ。
「うっせーな、お前は」
いつだってデカイ声出しやがってこのヤロウ。
お前のせいで聴力悪くなったら責任とれや。
「あ?なんだよ、俊輔。
もしかして…テスト、できなかったのか?」
ニヤニヤと笑っている慎太郎が容易に想像できた俺は振り向かず裏拳をくらわそうか考えていた。
「あー!答えないってことはやっぱりそうなんだな?
ドンマイ、俊輔。
そう落ち込むことはない」
そう言って肩に慎太郎の手が乗った。
俺はその手を引っ張り首を後ろへ倒す。
すると…
【ゴンッ】
と鈍い音。
「……ってぇー!
何すんだよ!バカ!!!」
振り向くと慎太郎は想像通り額を抑えていた。
「どうだ、この石頭。
うらやましいだろ?」
そう言った俺はニヤッと笑った。
あ、ちなみに今の出来事を簡単に説明すると、
俺が後頭部で慎太郎の額に頭突きをくらわした、ってことね。