「いやな話になるかもしんないけど聞いてくれる??
元カノとの話なんだけど…」


「…うん。」

嫌だけど壱聖が凄く悲しそうな顔をしているから過去に何かあったんだなと思った。


「あのな。俺、高校の時の元カノに裏切られた事があったんだ。
俺が本命の彼氏かと思いきやアイツには他に男がいた。
まぁ俺もそこまで本気じゃなかったけど…
それで別れを告げた時にその男の事を聞いたんだ。
じゃアイツなんて言ったと思う??
『あんたになんか本気になるわけないじゃん』
って言われたの。俺腹立ったから次の日その男に言ってやった。まぁその数日後別れてたけど。

それから女なんかどうでもよくなった。今まで本気の恋とかしたことねぇし。

だけど朱音に出会ってこの子なら俺を本気にしてくれるかもって思ってさ。
まぁ案の定俺は朱音にベタ惚れだけどな。」


と言って抱き締められた。


「だから朱音。離れていかないでね。」


「離れないよ。ってか離さないでね。」


「離さねぇよ。」