また私たちはベッドの上にいた。

ウサギをほったらかして。
彼は私の生乾きの髪を撫でながら話した。

「食事に誘った時から気になってた」

全然、気付かなかった。

「もっとゆっくり仲良くなろうと思ったんだけど」

「えぇっ?」

「一人で帰るって言い出すし、嫌われたと思ったよ」

「だって、それは…」

「うん、結婚してるって話したし、仕方無いと思った」

彼は話しながら私の耳にキスする。
少しくすぐったい。

「それなのに、部屋に上がってって言うし、でも緊張してるし」

彼がまっすぐ私を見つめる。
私はもう目を逸らせない。

「そしたら、我慢出来なくなっちゃった」

彼が急に可愛いく見えて、抱き締めた。

「こんな俺でもいい?」

「うん」

彼を受け入れたいと思った。
私を愛してくれる気持ちが嬉しかった。

なんて単純なんだろう。

ウサギにはぴーちゃんという名前が付いた。