─教室外ベランダ─



「…でさ、ゲンゲンあれやった?あの…あれ、DQ7!」







堺に《ゲンゲン》と呼ばれた男の子は柳澤 元気(ヤナギサワ ゲンキ)。











《ゲンゲン》はいつの間にかついていたあだ名である。










柳澤はその名前の通り元気いっぱいな男の子で巨体の持ち主。










その体格からかやはり腕力は人一倍強かった。






「ん…やった!まぁ難しかったねーあれ。羽田とひらゆうは?」






柳澤がトランプを出しながら羽田とひらゆうの2人に話しかけた。







羽田の方は僕と野球仲間でもある友人、羽田 勝(ハネダ マサル)。







《ひらゆう》と呼ばれた方は平井 結城(ヒライ ユウキ)。








ちなみにこの2人は大の仲良しでクラスのムードメーカー的な存在になっているのだ。








そうこういっている間に柳澤がガッツポーズをしていて手札が1枚も無くなっていることから彼はどうやらあがったらしい。






「俺はやってないなぁ…。確かひらゆうはやってたよな。」








「ああ、俺は完璧に全クリしたぜッ…と。はい、あがりぃ♪」






…実は平井は相当なゲーマーのようだった。








まぁそうこうしている間に僕は負けてしまったようだった。







「ちぇっ…じゃあ俺もう戻るわ。そろそろみんなも戻ろうぜ。」













僕の提案に皆は頷き、トランプを片付けて教室内に入っていった。