だって!!
堀と宮田はにやにやと意地の悪い顔をしているんだ。
蔑んだ目、哀れみの目、同情した汚い目――――
「お姉さん美人なのに……もったいない」と遠藤が言った。
カッと顔が赤くなるのが分かった。
恥ずかしくてどうにかなってしまいそうだ。この場から逃げ出したい。
恥ずかしい、惨めだ。
みんな姉ちゃんを介して俺をそんな目で見てるってことだろう?
足がおかしい、今すぐ走り去りたいのに動かない。
気付いた実がこちらを指差し姉ちゃんの腕を引く。
振り向くな!やめろ!来るな!気付くな!お願いだ!頼むからこっちに来ないでくれ!!!!!
―――数秒の間に俺はたくさんの願い事をした。
流れ星を見た時には三回も唱えられないというのに。