俯きながらゆっくりコートを脱ぐ。
次はシャツ。
手がふるえてボタンがうまくはずせない。

康介はただ真っ直ぐその様子をみていた。
透き通るガラス玉のような瞳で。


スカートを脱ぎ落として下着をはずす。



生まれたままの姿に戻った。


焼けただれた肌が、全身を作るあたしの身体。

紫色に変色した色合いとデコボコ具合は明らかに人のそれとは違う。


胸のあたりから腰のラインと太股それから肩にかけて頬にまで火傷の痕はあたしを食いつぶしていた。


康介は視線であたしを押し倒すかのように、見つめている。


そして慌ててスケッチブックと鉛筆を取り出して何かにとりつかれたかのように黙って描きはじめた。