「こんなふうに菜緒と登校するのも、これで最後かぁ…」

急に亮平がしんみりした口調で呟いた。

「そうだね…」

「幼稚園のころからだから、もう13年にもなるのか。そう考えると今までほとんど菜緒と一緒だったんだなー」

「しかも、あたしたち違うクラスになったのって3回しかないんだよ。腐れ縁だー」

亮平はハハッと笑う。
後ろからでもわかる。

きっと、顔をクシャッとして目を細めながら八重歯をみせて笑っているんだ。