その日は、亜耶音ちゃんが
あたしのとこに来ることは
なかった・・・。

あたしも、ちあきも
もう大丈夫だと思って
のんきに廊下を歩いていた。
すると、誰かに呼びとめられた。
「あのっ! 愛梨ちゃん!」
「あっ。亜耶音ちゃん・・・。」
そこには、亜耶音ちゃんの
姿があった。
「ちょっとあんた、
愛梨になんかよう?
潤を渡せとかいう話しは
いっさい聞かないからね」
あたしはちあきに、腕を
引っ張られながら、
亜耶音ちゃんの横を
通り過ぎた。

「今に見てろ。工藤愛梨・・・
潤くんはあたしのものよっ!!」





「愛梨!!だから言ってるでしょ!?
吉原はシカトしとけって!」
「でも・・・本とになんか
しくんでるのかな?」
「あぁーだから愛梨は危ないの!
潤は渡したらだめだよ!」
ちあきの話しによると、
吉原亜耶音は相当性格が
悪いらしい・・・。


あたしは潤と一緒に帰るのが
日課になっていた。
今日も一緒に帰ろうと思い、
潤の教室にいくと・・・
潤の姿はない・・・。
「あれ?」
「あ!愛梨ちゃん?」
潤といつも一緒にいる
佐藤浩平くんが近寄ってきた。
「もしかして、潤待ち?
潤ならたった今帰ったけど」
「え?」
あたしは驚いてしまった。
「てか、愛梨ちゃんが
先帰っててって
言ったんじゃないの?」
「えっ?あたしそんなこと
言ってない。」
あたしそんな事、
一言も言ってないよ・・・
「ちょっと~!!愛梨!!」
「あっちあき。」
「ねぇ、あれ見て。」
ちあきが指さした方向は教室の窓。
「あの吉原が潤くんと帰ってるって
どうゆうこと??」
「えっ・・・」
なんで亜耶音ちゃんが
潤と帰ってるの・・・・
意味わかんないよ・・・・。
「愛梨!!潤迎えに行よ!!」