少し体を起こされると、また優しく寝かされた。




感じる冷たい感触。氷枕だ






「起き上がれますか?水分だけでも摂らないと」


「う……ん」


腕に力をいれ体を起こそうとすると、視界が激しく揺れた。


背中を支えられてようやく体を起こすと、少し薄めたスポーツドリンクの入ったグラスを口元に近づけられる。


「飲んでください」


「……う…」


少しずつ口に含んで飲み込むが、飲み込むたびに咽喉が痛み、なかなか飲み込めない。



飲み終わると、秀明は智子をベッドに寝かせタオルケットをかけた。




「食欲は?」


小さく頭をふる。



そのとき、メロディーがなった。


「誰?」


「シンちゃんってでてますけど」


「でる」


そう言うと智子は手を伸ばした。



その熱い手の上にPHSをのせる。