「・・・・・・秀くん?」


額の上の手が離れていく。代わりに体温計を差し出された。


「体温(ねつ)計って下がってなかったら病院行きましょう」


無言でそれを受けとると、大人しく体温計を挟む・1分ほどで電子音が響いた。


「貸してください」


差し出された手に素直に体温計をのせ、瞳を閉じた。頭が重くて思考が回らない。


「39度2分。上がってますね。病院行きましょう」


そっと手が伸びてくる。


「嫌・・・・・・」


伸びてきた手を払いのけた。


「嫌いっていってる場合じゃないでしょ。これ以上悪化したらどうするんですか」


「嫌なの・・・・・・いや・・・なの」


涙が溢れてくる。ベッドの上、雫が熱い頬を伝って止まらなかった。