時計は午前10時過ぎを指していた。


少し躊躇してインターフォンを押す。


反応はない。



ドアに手をかけると鍵が開いていた。



躊躇いながら中へ入っていく。


「先輩?具合どうですか?」


小さなキッチンを通り過ぎ、部屋の扉に手をかける。

小窓越しに微かに見えるベッドに人影は……なかった




「先輩?!」


慌てて扉を開けると、壁際のソファーに倒れている智子がいた。