「質問だったよね?」


「はい。課題のここがよくわからなくて」


持ってきた教科書をかばんから取り出し、ページを開く。



壁一面の本棚には容量を超えた本が入れられていたが机の上はきれいに片付けられた部屋。



「座って」


そばにあった回転椅子を引き、二人に目の前のソファーに座るように促した。



言われるままにソファーに腰掛ける。


「ここは」


教科書を指しながら李音の質問に答えていく。

その答えに舞子は自分の間違えに気がつき、

「あ、そう考えるんだ」


一人つぶやく。



その姿に横に座っていた李音が思わず吹きだした。



よく見ると智子も微かに笑っていた。