そんなやり取りをよそに、
篤也は倒れている義男総長に
走り寄りました。




篤也｢おじいちゃん！｣



義男｢篤也…逃げるのじゃ。｣



篤也｢いやだ！おじいちゃん、逃げるな、ってさんざん言ってたじゃない！おれは逃げない、戦う！｣



義男｢…篤也。おぬしはこれから、女として生きるのじゃ。戦う必要は無い。逃げるのじゃ。｣




義男総長は震える手で
篤也の肩を掴みました。




篤也｢ばっ、ばかやろー！男も女も関係ない！戦うのは、護るためでしょ？おじいちゃんはおれに、護る術を教えるために、男として育ててくれたんでしょ？｣




篤也はその手を振り払い、
叫びました。




義男｢篤也…｣



篤也｢おれにも護らせてよ！吉田組を…！おじいちゃんを…！｣