すると突然、
義男総長が立ち上がって叫びました。




義男「そうじゃ。無理、なんてことは、この世には無い!!」




そして、小嶋に何かを投げわたしました。




神代「ン?なんや?」



小嶋「…バスケットボール。」



そう、小嶋が受けとったのは、
バスケットボールだったのです。

小嶋はニヤニヤしながら
ボールをつきはじめました。


そして小嶋は、




小嶋「き、キャッホウウ!!バスケ!バスケだッ!わーいキャッホウウ!!」




とかなんとか叫びながら、
ものすごいスピードで
柔道場の中をドリブルで
爆走しはじめました。


どれだけ速いかというと、

かろうじて目をあけていた松岡、
今まですごいスピードで
移動していた神代、
そして、義男総長。

誰ひとり、小嶋のことを
目で追える者はいませんでした。




神代「バリはやーッ!鬼はやーッ!何も見えへん!キャッホウウ!!、っていう雄叫びしか聞こえへん!どこや!?どこにいるんや!?」




しかし小嶋は、
いっこうに爆走をやめる気配が
ありません。


そのときです。




牧野「小嶋。パス、しろ!」




牧野が絞るような声で叫びました。




小嶋「あッ、そうだった。わりいわりい。オイそこの白髪!パスいくぞーッ!」



神代「なんや!?パス!?攻撃やのおて、パス!?はっ、もしかしてさくせ……」




神代が気づいた時には、
もう遅かったのでした。


神代は、小嶋の『殺人パス』を
顔面に受け、背中から倒れ、
気絶しました。




小嶋「あっ、いけねッ。オレのパス、あまりにも速くて、あまりにも強すぎて、怪我人続出したからバスケやめさせられたんだった。ゴメン(笑)」



義男「…おぬしはどんなバスケ人生を歩んでおるんじゃ。」