佳伊はにこやかに言った。
「さぁお座りください」
と促した。

「羅我(らが)に…あ、あなた方を連れてきた男ですが、家の一番の霊能力者なんですけど、旦那さんの幽体が半分出てて何で生きてるのか不思議だと言うんです。金魚も気になりましたが、旦那さんの方が問題かな?とね…」

ゆかりと和幸は顔を見合わせる。

「主人を助けてくれれば協力します。金魚の力は代々のものなので、実験なら園実ではなく私を…」

佳伊は顔を曇らせた。

「どうやら誤解されているようですね。我々は超現象管理人といいましたよね?管理する組織であって実験なんてとんでもない誤解です」


「えっ?」
2人は驚く。

「この狭い国に能力者が何人いると思います?わんさかいるんですよ。それで日本を混乱させないようにするのが管理人です。」

「全員実験してたらきりないですよ」
佳伊はクスクスと笑った。
「やることって言ったら超現象で困ってる人を助けることです。今みたいに」

「じゃあ…」
「実験しませんよ。あなた方を助けたいんです」
ゆかりと和幸は大きいため息をついた。
それを見て佳伊はにっこりと笑った。