「後は、アピオ行って、イトヨ行って、うわ〜楽しみぃ」

藍は、笑顔で鼻歌を歌いながら言った。


ガラッ

いきなり学習室のドアが開き、藍とウチは目をやった。



「なにやってんの」

翔だ。

「風にあたってる」

ウチは素っ気なく返事をする。

「帰りの会始まるぜ、早くこいよ」
「おう、今行く、藍行こうぜ」

ウチは翔から目をそらし藍に向けて言った。

「うん、行こっか」

藍とウチは夏の空に背をむけ、学習室を後にした。