「ん〜、気持ちぃ〜」
藍の肩まで有る髪が風によって後ろに靡く。
ウチはその姿を横目で見てから空に目を戻した。
無言が続く……。
「……あっ!!」
藍がパッチリした目をさらに大きくさせてこちらに目を向けた。
「何だよ、いきなり」
ウチは体を起こして藍と視線を合わせる。
「夏休みどこいく! ?」
藍が笑顔で言った。
「あぁ、どうするか……。 プール行くか?」
ウチは空に目を向けながら返事をする。
「やった!!いつ行く?」
満面の笑みで藍がいった。
「今年も連チャン一緒か?」
連チャンとは藍と家が近く、翔とはお隣同士なのだ。
「うーん、多分ね。大介と仲良いからね」
大介とは藍の弟。藍とはあまり似てなくて、生意気な奴だ。
今は1つ下の五年生だ。
「そっか……、まぁ良いや連チャンなら」