ガタッ……


彼女が避けない事は知ってるから、私が避けよう。


昨日ココきて場所なんか分かるはずも無いのに、ただ…ただ、悲しかった。


逃げたかっただけ。



場所が分からない私でも1つだけ分かる場所があった。


私はその場所へと向かった。







――…ギィィ。



鈍い音と同時に外の光が眩しく入ってきた。

「ココが屋上か…」



この田舎の空気は都会に比べて美味しい。


排気ガスなどで、まだそれほど汚れていない。



「いつかココも汚れていくんだろうな…」



田舎ながら徐々に近代化の町になってきている風景をぼんやりと、眺めていた。