翔とは、小さい頃からの幼なじみだった。


家が隣同士ということもあり

親が仕事で帰りが遅い日は
翔の家に上がらせてもらい、翔と二人で過ごす事はしょっちゅうだった。


でも翔はわたしに対して
なぜかいつも冷たくて…。


わたしの事をチビとかブスとかのろまだとか。


時には“バ加奈子”と呼んで、からかってきた。


そんなことを平気で言う翔がイヤだった。


他の女の子たちとは
ケラケラ笑って楽しそうに話す翔の姿に、余計傷ついたんだ。


だからこれ以上傷つかないようにって、

余計なことをして、また翔に嫌われたりしないようにって。

なるべく翔の目に付かないよう、極力避けて行動して、頑張ったけど……。


“加奈子のばーか。チービ”


…キライなら、関わらなければいい。

気に入らないなら、無視すればいい。


それでも翔は何かとわたしを引き合いに出してはバカにして、からかってきたんだ。