キーンコーン

カーンコーン



「!」


そのとき

わたしは突然鳴り響いた学校のチャイムで目が覚めた。


その音にビックリして

目を開いたままベッドの上で、しばらくぼう然としていたものの


すぐにハッとして、急いで体を起きあがらせる。


「……っ?…翔っ…?」


思わずその名前を口にして
キョロキョロとあたりを見回すものの


わたしが眠るその直前まで

ベッドのすぐ横に立ったまま
ジッとこっちを見ていたはずの場所に、翔の姿はなくて…


しばらくの間、誰もいない白いカーテンの先を見つめていたあと

わたしはギュッ、と布団のシーツを握りしめ…うつむいた。



「……」


やっぱり

夢、だったのかな…。