―結局、例の自己紹介プリントは提出できないまま、下校時間となってしまった。


初めての環境に疲れたのか、次々と教室をあとにしていく、クラスメートの人たち。


気がつくと、教室内に残っているのは、
隣同士に座っている翔とわたしの…二人だけとなっていた。


「……」


いつの間にか他の生徒たちの足音は聞こえなくなり、シーンと静まり返る室内。


わたしのおでこを、イヤな冷や汗が流れる。


どうしよう…。気まずい…。