「……」


…なんか…


感じわるい…。



他のクラスの人たちは
きちんと自分のことを話してるのに


椅子から立ち上がるまで時間がかかったあげく
自分の苗字だけしか口にしなかった翔は


どう考えてみても
良い印象には映らなかったはず…。



なのに今の一部始終を、一体どう見てそう感じたのか



翔が無言で席に座るなり


ちょうど、わたしの斜め前に座っていた他クラスの女の子が

「カッコイイ」と小さく口にしている声が聞こえて。



その言葉を耳にした瞬間


わたしの中にある胸の奥底で



またあの時のムカムカとした気持ちがよみがえってきた。