……え?
ドクン
「もともとお前は俺のこと、別に何とも思ってねーのに
俺の勝手な都合でいきなり部屋連れ込んで、振り回して。
…正直、自分でもスゲー子供じみてたと思うし
俺が今まで加奈子にやってきた事は、そうアッサリ許されるモンでもないと思ってる」
今まで余計なジャマして悪かったな。
ふいに昨日のことを口にしたかと思うと
突然、今までのことを謝罪してきた翔に、わたしの心は動揺する。
ドクン、ドクン…
“今まで余計なジャマして悪かったな”
え…、な、何?
なんで?
なんで、いきなりそんなこと言っ…――
「…っ」
「けどもう諦めっから。
加奈子とアイツとの仲が気に入らねーからって、わざとジャマするみてーな事はもうやんねぇし、
いちいち変なイチャモン付ける事もしない」
だからそれでアイツと、うまくやれよな。
どこか棒読みながらも、
らしくない言葉まで発する翔の話しをさえぎって
焦ったわたしは、こう尋ねる。
「っちょ、ちょっと待って…!
ア、アイツって…?」
「……」
さっきから一体ダレのこと言ってるの…――?
そう言いたげに、思わず身を乗り出したまま強く訴えかけるわたしに、
翔は今もこっちを振り向かないまま、ボソリとこうつぶやいた。
「…アイツと、付き合ってんだろ」
「えっ?」
「あのあと…
店出てって、ホテル向かう途中
おまえと新垣が二人で公園に居んの、見た」