「……」
ドクン、ドクン
“実はね、あたし
翔と付き合うことになったの”
どうしよう…
どうしたらいい?
どうすればいいの?
確かにあのときは直哉くんから後押しされたこともあって
今までのこと、全部ちゃんと謝って
翔に自分の気持ち、正直に伝えようって決めたけど…
――でも翔はいま、あの三浦さんと付き合ってる。
“だって高橋さんは翔のこと、
別になんとも思ってないんでしょ?”
今まで素直じゃないことばっか口にして
見えないところでさんざん傷つけて、苦しませておいて
あげく三浦さんとくっついた途端
「本当はやっぱり好きでした、ごめんなさい」なんて
そんな自分勝手で都合のイイ言葉
いまさら言えない…―――
「はぁ、それにしても、春野先生は一体どこに行っちゃったのかしら?
1時間前にはちゃんとここへ戻ってきてくれるよう頼んでおいたはずなのに」
先生のことだから
きっと今頃ノンキに一服でもしてるんだろうけど…。
そんなことを考えたらますます言えなくなって、
一気に暗くなっていると
小崎先生がなにやら困った様子でつぶやいた。