「!? 詩織!?」

「言っとくけど
今からこの部屋に勇樹たちを呼んで大騒ぎするってのはもう、ナシだからね。
…大体、女子だけの部屋に男を呼ぶってこと自体、軽率すぎる行動なんだし
そもそも何であたしが最初っからあさみの言い出した提案に乗り気じゃなかったのか、
広瀬くんの件があってもう十分理解できたはずでしょ」

「う…;」

「もしこれが担任の先生に見つかったとして。
昨晩、勇樹たちと会ってたことまで詮索されたりでもしたら。
ここにいるウチらだけじゃなくて
他の班のみんなにまで迷惑かかるかもしれないんだよ」


どうせ待ってれば時間は来るんだし
今はここで大人しくジッとしてなよ。


怒ったようにそう言って
ビシッ!と厳しく一喝してみせた詩織ちゃんに

あさみちゃんはますます体を小さくさせたかと思うと
半分いじけながらも素直にコクッ…とうなずき返した。


「……。はぁ~ぃ…」


たしかに詩織の言うことは、もっともかもしんないけどさ

でもだからって
そんなものすごい顔で怒んなくてもいーじゃん;


そんなグチをブツブツこぼしながらも
すっかり怖じけづいた様子のあさみちゃんは
半分あきらめたようにベッドからしぶしぶ飛び降りる。


そして部屋に置いてあった液晶テレビのリモコンを見つけると
電源をつけ、早速チャンネルをポチポチとまわし始めた。


「あはは、ウケるー」

(急がなきゃ)


そのまますっかりお目当ての番組に見入りだす中、

ひとり実行委員のわたしは、急いで外に出る支度をする。


そしてすぐさまこの部屋を出ようとあわてて駆け出したそのとき

ちょうどすぐ目の前のドアを「コンコン」とノックしてくる音がした。