ザーザー



水道の流れる音が響く女子トイレ。



急に気分が悪くなり

やっとの思いでトイレへと駆け込んできたわたしは

水で冷やしたハンカチを口元に当て、大きく深呼吸する。



「……ふぅ…」



あ、なんか…

ちょっと、楽になったかも…。



今も濡れたハンカチで息を冷ましながら

わたしはゆっくりと辺りを見回す。



…他のクラスがまだ授業中でよかった。


ほとんど前も見えない状態のまま
手探りで、何とかここへ来たものの

幸い、女子トイレには誰もいなくて。



音もなく、少しひんやりした場所でひとり休んでいたら

急なめまいも、やっと落ち着いてきた。