「…ちょうど今から一ヶ月ぐらい前かな。
たまたま体育んときに俺らがやってたサッカーで
最後に俺が、相手チームだった広瀬くんからボールを奪ってシュート入れようとしたの覚えてる?
あとほんの数秒で試合がタイムアップするっていうホント、ギリギリのときにさ…」

「…? 一ヶ月前…?
!あ……」



“ピピーッ!”


とっさにそう聞き返そうとして

ふとわたしの記憶を
あの時の、グラウンド中に大きく響き渡ったホイッスルの音がよみがえった。



“あとほんの数秒で試合がタイムアップするっていうホント、ギリギリのときにさ…”



まさか…


直哉くんが今言おうとしている
“サッカーの試合があった日”って


それってもしかして

――二人ケガした時のこと?