「ごめん、驚かせて。
…勇樹たちにはその、今はそっとしといてやれって止められたんだけど…。
でも今の加奈子ちゃんを見てたら、
やっぱりほっとけない」
「……」
「そこ、座っていいかな」
そう言って、直哉くんはどこか申し訳なさそうにわたしの横を指差してみせた。
そんな直哉くんに、わたしは一瞬ためらいながらも
ただ黙ってコクッ…とうなずき返す。
すると、しばらくして直哉くんがわたしの隣へ腰かけてきた。
「……」
でもそれっきり直哉くんは何も言わなくて。
公園を通りすぎていく人の足音や、風の音だけが聞こえてくる。
隣同士に座ったはイイものの
お互い、何も話し出せない…。
「……」
「…あ、あの」
いつまでも続く長い沈黙が気まずくて、わたしはとっさに口を開く。
そのまま慌てて何か話しを切り出そうとした次の瞬間
突然――グイと腕を引き寄せられたかと思うと、直哉くんに抱きしめられた。