“担任の点呼も全部屋済んだ様子が分かったら、
適当にクラスのメンバー呼んでとりあえず騒がね?って話してんだけど”
ドク、ドクン……
その瞬間、心臓の音がとたんに大きくなる。
思うように呼吸が出来なくなって
わたしはとっさにゴクンッ、とたまっていた息をのみこんだ。
“304号室ね”
“りょーかい♪点呼終わったらすぐ行くから”
翔、なんで…?
なんでここにいるの?
だってほんとうは今までずっと、
三浦さんたちといたはずじゃ…――
「…――か、加奈子ぉ?
ど、どーだったぁ…?;」
「!」
そのことを思い出して
すっかり身動きが取れなくなっていたとき。
とつぜん後ろから、「ミシ…」という畳のきしむ音が聞こえたかと思うと
何やらビクビクと、すっかりおびえきった表情を浮かべながら
おそるおそる遠くから身を乗り出したあさみちゃんや勇樹くんたちが、様子を見にやって来た。
そのままゆっくり、そろー…とこっちまで近づいてきたみんなに
わたしはハッ!と反射的に両手出して止めようとする。